不安で不安で仕方がない
漠然とした不安を感じて、心臓が痛い。
いま、特別大きな問題が発生しているわけじゃない。
でも、近い将来に起きそうな嫌な事をいくつも想像してしまう。
考えれば考えるほど、不安で不安で仕方がなくなる。
心臓がきゅうと縮まる。
胸が苦しい。
そんな気持ちを押し込めながら、今日も仕事が終わる。
僕は一人、終電間近の電車に乗る。
電車には、たくさんの人達が乗っている。
酔っ払ってご機嫌そうに自慢話をしてるおじさん。
スマホでひたすらゲームをやっている学生。
疲れ果てて眠り込んでいるOLさん。
人前でもお構いなしにイチャついているカップル。
帰りの電車の中でも資格の勉強を頑張っているサラリーマン。
本当にいろいろな人がいる。
なんだか、みんな楽しそうに見える。
みんなそれぞれ自信を持って生きているように見える。
すごく立派に見える。
それぞれがちゃんと仕事をしていて、みんな逞しく生きている。
そんなたくさんの見知らぬたくさんの人を見ていると、心底不思議に思うことがある。
みんな、不安は感じてないんだろうか。
みんな、それなりに楽しく生きているんだろうか。
みんな、どこへ向かっていくんだろうか?
楽しげに話している人たちを見ていると、不安に苛まれている自分がさらに惨めに思えてくる。
そんな馬鹿げたことを思いながら、周りの人たちを見ていると、ふと30代位の男性が目に入った。
その人は、疲れた様子で遠い目をして、ゆっくりと周りの人たちを見渡していた。
その目を見た瞬間、あぁ、この人、僕と同じだ。
この人も、大きな不安を抱えてる。
そう思った。
何の根拠もない。
ただ、そう直感した。
この人が背負っているものが、どんな不安なのか、どんな悩みなのか、僕が知る由もない。
けれど、その不安に負けないように。
いつか、もっと自分に自信が持てるように。
疲れた目の中に、必死で頑張っている芯のようなものを感じた。
僕の勝手な思い違いかもしれない。
でも、それを見たとき、なぜか。
急に、僕の中の不安がちっぽけに思えた。
よく考えてみれば、不安や悩みのない人なんてきっといない。
多かれ少なかれ、不安や悩みを抱え、それを自分なりに隠しながら、みんな必死に生きているんだろう。
僕だって、周りから惨めに思われたくない。
だから、普段、この漠然とした不安をなるべく外に見せないように。
自信を持って、楽しそうに生きているように振舞っているつもり。
僕も、周りから見れば楽しそうに生きているように見えるのかもしれない。
だとしたら。
本当は、みんな僕と同じなのかもしれない。
みんな不安で不安で仕方ないのかもしれない。
それでも、みんな必死になって、笑って生きているのかもしれない。
僕は悲劇の主人公気取りで、不安を快く受け入れてしまっているだけなのか。
不安はいつでもある。
無限に湧いてくる。
不安で不安で仕方ないのは、僕が自分自身で不安を受け入れすぎているから。
不安を受け入れるか、受け入れないかは自分次第で決められる。
不安を受け入れようが、受け入れまいが、なるようにしかならない。
1時間不安で過ごそうが、10時間不安で過ごそうが、結果、なるようにしかならない。
なるべく不安にとらわれないよう。
なるべく不安を手放すよう。
あとは、なるようになれ!
不安なんかに負けない。
そんなふうに久しぶりに思えた。
深夜の混みあった電車の中が、いつもより明るく見えた。
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