僕の症状
ちなみに僕は現在アラフォー(あ、言っちゃた)で、かれこれ30年近く、この強迫性障害(OCD)と付き合ってきました。
強迫行為って自分では日常の一部なんですが、周りには全く理解されない。
なので隠し続けなきゃいけないし(と言っても隠しきれないんですが)、何しろ繰り返し行為がひどくて何やるにしても時間が人の倍以上かかって、心身ともにヘトヘトになっていました。
そんな僕ではありますが、一般社会には、なんとか適応していました。
幸せなことに、結婚もできたし、子どももいます。
仕事もちゃんとしてます ^o^
そういう意味では超重症とかではなかったんだと思いますが、ず〜っと強迫行為がやめられなかったのです。
大きくなってきた子どもたちは「パパはちょっとへん」って気づいてきていたし、妻ももちろん気づいていました(妻はずっとそれを言葉には出さなかったので感謝してます)。
一番つらかったのは、やっぱり子どもたちに後ろめたさがあったことですね。
それが一番の動機になって、なんとか克服することができました。
子どもたち、さまさまです ^o^
では、前置きが長くなりましたが、強迫性障害を発症した経緯と症状をまとめてみます。
発症の経緯
僕自身、強迫性障害の症状が出始めたのは、多分小学生2〜3年くらいだったかと思います。
いつから発症したのかというのは定かではないですが、何か他の人と違うんじゃないかと思った記憶がはっきり残っています。
それは、当時TVでよくあった「UFOに人がさらわれた!?」みたいな番組を家族で見ていた時でした。
見ているうちに、僕がUFOにさらわれる場面が執拗に頭に浮かんできて頭から離れず、親に「お前、何してるんだ?」って言われるまで、ひたすら頭を振り続けていたんです。
なぜか?
それは、頭を振ることで「さらわれる」という恐ろしい想像を頭から飛ばして、自分の不安を消すためでした。
頭から嫌なイメージを追い出すことで、「そんなことは自分にはない、関係ない」と思い込むことに必死になっていたんです。
「嫌なことを考えてしまったら、頭を振れば、それがどこかへ飛んで行く」という儀式を自分の中で作り上げていたんですね…(ちなみに、この儀式は治るまでずっと残っていました)
そう、赤ちゃんの「痛いの痛いのどこかに飛んでけ〜」というおまじないと同レベルです。
でも、強迫行為ってきっとそんなものなんです。
一般的に発症の経緯として、ものすごくつらいことがあってとか、小さい頃のトラウマが元になってというようなことが解説されていたりしますが、僕の場合、上に書いたように「あることがキッカケ」とかいうわけでもなく、気づいたら強迫行為をしていた という感じです。
特に虐待されてたとか、親が離婚してしまったとかもありませんし、どちらかというと平穏無事な子ども時代を過ごしていたんじゃないかと思います。
ただ、原因らしきものを考えると、自分に対しての「強烈な劣等感」かもと思うことがあります。
少年野球をやっていたんですが、あまりうまくなくてレギュラーになれなかったんですね。
今思えば全くたいしたことではないのですが、子どもながらに相当ショックで
「僕は本当にダメ人間なんだ。この先ちゃんとやっていく自信がない...」
と、この先の将来への不安をものすごく抱えていました。
子どもながらに、
「ホントにつらくなったら自殺しちゃえばいいか…」
なんて本気で考えてました。
でも、あたりまえですが、成長するにつれ、世の中がわかってきて、子どものときに感じなかった不安も当然多くなるじゃないですか。
そういった不安を打ち消そうとするたびに、僕の強迫性障害の症状もどんどんエスカレートしていったんですね。
不安が自分の中にあってはいけない。
不安が自分の中にあってはいけない。
でも不安なんて絶対につきることはない。
そんなことは百も承知なんですが、やっぱり、
不安が自分の中にあってはいけない。 不安を感じたら、強迫行為で打ち消す!
・・・なぜ、こんなふうになってしまったのか?
今になって思えば、子どものときから、
不安が自分の中にある=本当に自殺してしまう
と思い込んでいた?
だから、自分を殺さないように、生きながらえるために、不安を必死に消し去ろうとしていたんじゃないか?
ということは、強迫性障害は僕が自殺するのを防いでいてくれたってこと?
なんて、思ったりしています。
克服した今だから思えることなのかもしれませんが。
すみません、ちょっと話が重くなってしまいました,,,
まあ、そういう思い込みが激しい性格とか、偏った考え方みたいなところが、この強迫性障害発症の一因なのかもしれません。
今までの症状
すごくいっぱいありました…
今までの人生、自分で作ったルールにがんじがらめに縛られていました。
この強迫性障害を人に気付かれたくないという気持ちが強いため、人を避けるようにもなりました。
強迫行為による異常な繰り返し行為で、物もいっぱい壊しました。
つけたり消したりでテレビが壊れ、開け閉めを繰り返しドアが壊れ、パソコンのキーボードも何度も同じキーを叩きまくるのでそこだけ壊れ…
健常者から見ると異常と見えるのは十分理解しているのですがやめられなかった。
やめると不吉なことが起きる気がして、その不安を抑えきれない。
例えば本当にバカげているんですが、若い頃彼女とデートの待ち合わせの前、駅のトイレ(個室)に入った時に、不吉な強迫観念が浮かんでしまい、強迫行為で水を流すのを1時間も繰り返してしまい、待ち合わせ時間を1時間も遅れてしまったなんてこともありました。
その時、許してくれた彼女が今の妻だったりするんですが (^_^;)
また、あまり思い出したくはないですが、強迫性障害と併発する確率が多いとされる「うつ病」も経験しました。
さらに、「巻き込み」と呼ばれますが、自分の強迫行為(儀式)を、理由をつけてそれとなく家族にもやってもらったりする症状もありました。
例えば、子どもがテレビを消した時、消した時のイメージがよくなくて、強迫観念にかられ「今のシーン気になったから、もう一度つけて!」とか適当なこと言ってもう一度つけて、消してもらったり...。
僕の症状を一通りまとめてみます。
今となっては懐かしい?思い出でもあります。
※ 一般的な症状の説明は、強迫性障害とは をご覧ください。
症状 | 詳細 |
中和 | 僕が一番ひどかったのがこれです。相当悩まされました。とにかく頭の中で悪い観念が浮かんだら、その観念を打ち消さなければいけない。それが僕の中の絶対ルール。 頭の中だけであれば、そんなに人にも気付かれないのでしょうが、僕の場合それが全ての強迫行為、つまり行動と連携していました。 どういうことかというと、例えば、階段を登っている時に悪い想像が頭に浮かんだら、時間を巻き戻して、再度やり直しをしなければいけない。つまり悪い想像が浮かんだ場所までちゃんと戻って、良い想像をしながら、また階段を登り直す。 良い想像でやり直すということがポイントなので、もう一回やっても良い想像が出来なかった場合、出来るまで繰り返すわけです... そうしないと悪い想像が現実化してしまいそうで不安でたまらない。 この観念がどんな時であれ、どんな場所であれ、一日中続きます… さすがに30年もやっていれば大分慣れてきて、良い想像の仕方ってのが身につきました... だってこの観念の理屈では、悪い想像しているときっていうのは何の行動も出来ないですからね。 我ながらこの強迫観念と強迫行為はめちゃくちゃだなと思っていましたが、どうすることも出来ず... |
数唱恐怖 | 僕の中で2番目にひどかったのがこれ。 4と6がダメ。4は死を、6はオーメンのダミアンを連想させるからかな。 死人を連想させる42は最も苦手で、たまたま時計を見たときに「XX:42」だったりすると、もう動けなくなりました... さらに、これが上記の中和と融合して、強迫行為で繰り返す回数は4のつく回数はダメなんです。4回とか6回とか14回は絶対ダメ。 その代わり、7と8はラッキーとかハッピーを想像させるので僕の中では救済の数字。 なので、中和の強迫行為は、7回か8回繰り返すと良い想像が出来て繰り返しから抜けられる。 う〜ん、これも冷静に考えれば本当にむちゃくちゃな観念なんですが... |
確認強迫 | 就寝前、出かける前など、自分が最後に火の元や鍵などを確認しなければならない場合、繰り返しの確認でもう大変...これも、上記の中和&数唱恐怖で、なかなか確認行為が終わらない。 いつまでも寝られない、出かけられず遅刻ぎりぎりとか。 |
加害恐怖 | これは特に車を運転するときですね。 これも中和が絡んでいるのですが、横断歩道を横切るときなど人をひいてしまうなど嫌な想像をすると、そこに戻って何もなかったことを確認する&そのときの想像を打ち消さずにいられないんです... |
縁起恐怖 | 縁起が悪いとされることはダメです。悪い結果が出たら不安でたまらないので占いとかは見れません。 (これが縁起恐怖というのかわかりませんが、)例えばお茶を買うときペットボトルが並んでいる中、一番縁起!?が良さそうなペットボトルを選ばずにいられないという症状がありました。 時には2列目、3列目奥のものをわざわざ取り出すなんてことをしなけらばならない。縁起が良さそうなものは、その中でも他と違って光って見える気がするんです。う〜ん、やっぱりかなり異常だ... |
呪文? | 上記全てに言えることですが、全ては良いイメージでいなければならない。 引き寄せの法則とか流行っていますが、まさにそれがエスカレートした感じで、悪いことを考えたら悪いことが起こりそうで不安でたまらない。 常に良いイメージを頭に浮かばせるために、呪文を頭の中で繰り返す。 それが気付かぬうちに言葉にもつい出てきてしまい、周りから見ると意味不明な言葉をぶつぶつつぶやいているように聞こえる。 それは、数唱強迫で書いた7とか8という数字だったり、好きな言葉や好きな人物だったり。 そうすることで悪い想像を考える隙を与えない! まさに自分にとっては呪文なのです。 |
と、まあ、かなり赤裸々に自分の症状を告白しましたが、強迫性障害の方なら理解頂けるのではないでしょうか。
健常者から見ると、かなり異常なことだと思われるんでしょうが。
本当につらかったです。
自分でも不条理だと十分認識しているのに、やめたいと思っているのにやめられない。
でも、こんな症状を持っていた僕でも今では解放されています!
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より
- 強迫性障害(強迫神経症)、克服したよ! に より